エレベーター故障の前兆:油圧エレベーターで起こる床の段差は故障のサイン?
「最近、エレベーターに乗ると、到着した階で床が少しズレている気がする。」
「降りるときに数センチの段差ができていて、つまずきそうになった。」
このような経験はありませんか?
この現象は「レベルずれ」と呼ばれ、エレベーターが各階に停止した際、かごの床と建物の床が一致しない状態を指します。特に築年数の経過した油圧エレベーターでは見られることがあり、放置すべきではない症状の一つです。
油圧エレベーターは、油圧ポンプで作り出した圧力によってシリンダーを動かし、かごを昇降させる仕組みです。構造が比較的シンプルで、低層建物や福祉施設、病院などでも多く採用されてきました。
しかし、長年使用していると油圧ならではの経年劣化が現れます。
代表的なのが油圧回路内部でのわずかな油漏れです。シリンダーや油圧バルブの摩耗が進むと、停止中でもごくわずかに油圧が逃げ、かごが数ミリから数センチゆっくり沈んでしまうことがあります。これを「クリープ現象」と呼ぶことがあります。
利用者の方々からすると「さっきは床が合っていたのに、降りると少し低くなっている」という状態です。
また、油圧バルブの動作不良や制御機器の劣化によって、本来の停止位置で止まれず、レベルが合わなくなることもあります。もちろん、原因は油圧機器だけではありません。着床位置を検出するセンサーの汚れや故障、制御盤の電子部品の劣化などでも同じような症状が発生します。
重要なのは、「少しの段差だから大丈夫」と考えないことです。高齢者の方や小さなお子さまは、わずか数センチの段差でもつまずく可能性があります。日本製のエレベーターは非常に性能が良く、機器が正常な時は殆ど段差を生じることがありません。皮肉なことに、それがかえって利用される方々の注意を削ぎ、ほんの小さな段差でも足を取られるのです。
車いすや歩行器、台車などもスムーズに出入りできず、安全性や利便性に大きく影響します。
わたくしども、エレベーターメンテナンス技術者は、「床がズレる」という現象だけを見るのではなく、その背景にある原因を調査します。
・油圧ユニットの圧力は正常か。
・バルブは適切に動作しているか。
・シリンダーに異常はないか。
・着床センサーは正確に位置を検出しているか。
こうした点を一つずつ確認しながら、原因を切り分けていきます。
油圧エレベーターは、適切な保守を続ければ長く使用できる設備です。しかし、レベルずれは「経年劣化が始まっています」という設備からのメッセージであることも少なくありません。
「最近、床が少しズレるようになった。」
そんな小さな違和感があれば、お話を聞かせてください。
エレベーターは毎日、人の命と暮らしを支える設備です。だからこそ、わずかな段差も「異常のサイン」として受け止め、早めの点検と予防保全につなげることが安全で安心な建物管理への第一歩になるのです。
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阪神間(大阪市~尼崎市、西宮市、伊丹市、宝塚市、芦屋市、神戸市など)を中心として、エレベーターのリニューアル、メンテナンス・外壁塗装、屋上防水などの建物修繕(一般家庭のリフォーム相談も大歓迎)、2026年法律改訂の行政への特定建築物検査報告などの建物全般に関するお手伝いをしております。
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