懐かしい歌が涙を呼ぶ 高齢者福祉施設での「音楽の力」
高齢者施設へ訪問演奏に伺うと、「懐かしい歌や曲で涙を流す」場面はとてもよく起こります。
この状況はみなさんも想像できると思います。今日は、この辺りを深掘りしてみたいと思います。
「懐かしい歌や曲で涙を流す」のは単なる感動ではなく、心理学・脳科学的という学術的観点からも説明できる現象です。
【懐かしい歌や曲が涙を呼ぶ理由】
1.音楽は記憶を直接刺激する
人間の記憶にはいくつか種類があります。
・言葉の記憶
・体験の記憶
・感情の記憶
音楽は 感情記憶と強く結びついています。例えば初恋の時に流れていた曲、結婚式で流れた曲、青春時代の歌といった具合です。こうした音楽を聴くと当時の感情や情景が一気によみがえるのです。これを心理学では「自伝的記憶(Autobiographical Memory)」と呼びます。
2.人間は「青春期の音楽」を強く覚えている
人は15〜25歳頃の音楽を特に強く記憶します。これは心理学で「レミニセンス・バンプ(Reminiscence bump)」と呼ばれています。つまり現在80歳の人なら昭和30〜40年代の青春歌謡、演歌に強く反応してくださるのです。こうした曲を聴くと人生の記憶が一気によみがえります。しかも、その曲が名曲であればなおさらですね。
3.認知症でも音楽記憶は残りやすい
音楽が特別なのはここです。
認知症になると人の名前、今日の日付、場所などは忘れやすくなります。しかし音楽の記憶は最後まで残りやすいことが多くの研究で分かっています。
その理由は音楽が脳の複数の領域を同時に使うからです。聴覚、感情、運動、記憶、つまり脳全体に保存される記憶なのです。
4.懐かしい歌は「人生を思い出させる」
高齢者福祉施設では懐かしい歌や演奏を聴くとこんな言葉がよく出ます。
「この歌、主人とよく聴いたの」
「学生の頃を思い出す」
「若い頃に戻ったみたい」
これは「回想法(Reminiscence Therapy)」という心理療法と同じ効果があります。回想には、心の安定、自己肯定感、孤独感の軽減などの効果があります。
【音楽は人をつなぐ】
訪問演奏に行っていてよく起こることが、一緒に歌う、手拍子、笑顔、涙です。
音楽は言葉がなくても共有できる体験です。
そのため、認知症の人、車椅子の人、寝たきりの人、体が不自由な人など、参加する方を問いません。
【現場で経験した感動の場面】
こんなこともありました。
認知が進んでいたり、病状が重かったりするため殆ど口を開かない方が、「ふるさと」を聴いた瞬間に一緒に歌い出したり、涙を流したり、昔の話を雄弁に語り始めたりしたのです。
演奏が終わった後に、職員の方から「あれには驚いた」と言ってくださったほどです。
【訪問演奏が高齢者福祉施設で喜ばれる理由】
施設側が訪問演奏を歓迎して下さるのには、深い理由と思っています。音楽は単なる時間つぶしの娯楽ではありません。
まず、レクリエーションとして、日々の生活に彩りと変化をもたらします。懐かしい歌謡曲が流れれば、自然と手拍子が始まり、口ずさむ声が重なり、施設に笑顔の花が咲きます。
次に、心理ケアとして、孤独や不安を和らげる力があります。音楽は言葉を超えて心の奥深くに届き、忘れかけていた感情を呼び覚まします。涙を流す方もいれば、久しぶりに大声で笑う方もいます。それは感情の解放であり、心の浄化でもあるのです。
そして認知症ケアとしての側面。不思議なことに、最近の出来事は忘れてしまっても、若い頃に聴いた歌は鮮明に覚えている方が多くいらっしゃいます。音楽は記憶の扉を開く鍵となり、その人らしさを取り戻す瞬間を作り出します。
つまり、音楽は娯楽という顔を持ちながら、実は深い癒しとケアを届ける、かけがえのない存在なのです。演奏が終わった後も、その余韻は聞いてくださった方々の心に温かく残り続け、「また来てくださいね」という言葉と共に、わたしたちを送り出してくれます。
我々も「また来ますね」と自然な笑顔をお返し出来ます。
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