人生をベクトルではなく、レイヤーで考える
人生をベクトルではなく、レイヤーで考える
人生を「ベクトル」いわゆる方向性、向かう力で考える人は多いです。
・どこへ向かうのか。
・何を達成するのか。
・どれだけ成長するのか。
つまり、“前に進むこと”を人生の中心に置く考え方です。もちろん、ベクトルは大切です。
・仕事で成果を出したい。
・収入を増やしたい。
・社会的信用を得たい。
・夢を実現したい。
これらはすべて「方向」と「速度」を持った人生の動きであり、人を前進させる力になります。しかし、人生をベクトルだけで考えると、ある時から苦しくなることがあります。なぜなら、ベクトル思考は「今どこにいるか」よりも、「どこまで進めたか」を基準にするからです。
すると人は、
・昔より伸びているか
・周囲より先に進んでいるか
・成果を出しているか
・無駄なく生きているか
を気にし始めます。
そして、立ち止まる時間や、遠回りに見える経験、人との雑談、趣味、遊び、失敗といったものを、「前進を妨げるもの」として扱いやすくなります。
けれど、本当に豊かな人生は、必ずしも一直線ではありません。そこで大事になるのが、「人生をレイヤーで考える」という視点です。
レイヤーとは、“層”のことです。
たとえば、一人の人間の中には、
・仕事をする自分、
・家族と過ごす自分、
・趣味に没頭する自分、
・音楽を楽しむ自分、
・地域と関わる自分、
・誰かを支える自分、
・ひとりで静かに考える自分、
など、複数の層が存在しています。
ベクトル思考では、それらを「どれが人生の主軸か」で整理しようとします。しかしレイヤー思考では、「全部が重なって今の自分を作っている」と考えます。
つまり、人生は一本の矢印ではなく、何層にも重なった透明なフィルムのようなものだという見方です。
この考え方の面白いところは、「一見関係ない経験」が、あとから人生の厚みになることです。
たとえば、若い頃に夢中でやっていた音楽。
当時は仕事にならなくても、年齢を重ねたあと、人との縁を作る力になるかもしれません。
子育てで苦労した経験が、後に部下育成に活きることもあります。
地域活動で培った信頼が、ビジネスにつながることもあります。
つまり、人生には「無駄な層」がほとんど存在しないのです。
その時点では意味が分からなくても、あとで別のレイヤーと重なった瞬間に、価値へ変わることがあります。
逆に、ベクトルだけで生きていると、「役に立つか」「成果になるか」で物事を判断しすぎてしまいます。
すると、人間の幅が細くなります。肩書きが外れた時、仕事が変わった時、役職を降りた時に、自分の存在価値まで失いやすくなります。
しかしレイヤーを持つ人は強いです。
仕事以外の層。
人とのつながりの層。
好きなことの層。
経験の層。
感性の層。
それらが人生を支えてくれるからです。
また、レイヤー思考には「矛盾を許容できる」という特徴もあります。
・仕事では合理的なのに、趣味では感情的。
・人前では明るいのに、一人の時間を強く必要とする。
・挑戦したい気持ちと、安定を求める気持ちが共存している。
人間は本来、そんな単純ではありません。
ベクトル思考は、「どちらが正しいか」を決めたがります。しかしレイヤー思考は、「両方あっていい」と考えます。だから、生き方に余白が生まれます。
人生後半になるほど、この感覚は重要になります。
若い頃は、前へ進む力が武器になります。しかし年齢を重ねると、人は“積み重なり”で見られるようになります。
・何を達成したかだけではなく、
・どんな経験をしてきたか。
・どんな人と関わってきたか。
・どんな空気感を持っているか。
・何を大切にしているか。
そうした“人生の層”が、その人の深みになります。
人生をベクトルだけで考えると、止まることが怖くなります。しかしレイヤーで考えると、立ち止まる時間にも意味が生まれます。
今やっていることが、すぐ結果につながらなくても構いません。趣味でも、寄り道でも、人付き合いでもいいのです。
それらは見えない層となって、自分の中に蓄積されていきます。そしてある日、別々だった層が重なった時、人は「これまでの人生は全部つながっていた」と気づくのです。
わたしはずっとトロンボーン奏者であることを趣味としてやってきました。一般社会人としての顔と、趣味で音楽をする顔を、ベクトルを変えるように切り替えて生きてきました。
ただ、ある一時期から色んな方向を向くのではなく、「人生は基本的に一方向」と位置づけ、それぞれの顔がリンクするようにしました。
音楽をしていることが仕事で役に立つなら活用するし、音楽仲間に仕事の提案をする場合も敢えて増やすようにしました。
その方が等身大の自分でいられるし、オン/オフの顔を滲ませることで寧ろ信用を得られたりもします。
生き方を「ベクトル」から「レイヤー」に変えてみる。
きっと何か大きな得るものがあるはずです。
【お話うかがいます】お客さまの『ご資産の価値を上げることを』一緒に考えます。
ADEKAT Assistsではお客さまの建物に関する資産価値向上を提案させて頂いております。
「どんなことをしたらいいのか?」「どこから手を付けたらいいのか」などお客さまの中の【モヤモヤ】をどうぞわたくしの方へお聞かせください。
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