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エレベーター事故の原因について

エレベーター事故の原因についてお話します

エレベーター事故の原因は、「ひとつの大きな故障」だけでなく、部品の劣化・点検の見落とし・修理ミス・古い安全設計・修繕せず使い続けた判断などいくつもの理由が重なって起きることが多いです。

事故原因は主にこの5つ
1. 部品の老朽化
エレベーターは、ブレーキ、ワイヤー、制御盤、リレー(電磁接触器)、ケーブル(テールコード、塔内配線)、ドア装置など、たくさんの部品で動いています。
これらは経過年数と使用回数(頻度)で少しずつ傷みます。傷んだ部品を使い続けると、停止位置のずれ、ドア不良、発煙・発火、ブレーキ性能低下につながります。国土交通省も、発煙・発火事故の原因として部品の経年劣化を挙げています。

2. 保守点検の不足・点検の見逃し
現場では「見た目は普通に動いている」ことがあります。
でも本当に大事なのは、安全装置が異常時にちゃんと働くかの確認です。
国の事故調査でも、扉の開閉が一見正常だったために、本来やるべき安全確認試験が省略され、異常が見逃されたケースが指摘されています。つまり、“動いているから大丈夫”は危険ということです。 我々としても、日々の点検で繰り返し注意している点のひとつです。

3. 修理や作業時のミス
事故は、故障そのものより修理中・復旧時のミスで起きることもあります。
たとえば2026年の神戸の事故における調査報告では、修理時に安全回路を一時的にショートさせたあと、元に戻し忘れたことが事故の重要な原因になっていました。
つまり、「故障 → 応急処置 → 復旧漏れ → そのまま運転」という流れが非常に危険です。
ここも、保守会社としては非常に注意すべきポイントです。

4. ブレーキや安全装置の不具合
エレベーター事故で特に重大なのが、ブレーキの仕組みの異常です。
消費者安全調査委員会の評価では、重大事故の技術的要因として、ブレーキコイルの短絡、ブレーキライニングの摩耗、制動力の低下が示されています。
ブレーキが弱ると、かごを止めたい位置で保持できず、意図しない動きにつながります。
エレベーターは「止まる=故障」ではなく、「安全に止まる装置が正常に止まらない」ことが事故なのです。

5. 古い設備を安全対策なしで使い続けること
古いエレベーターは、今の基準では当たり前の安全装置が付いていないことがあります。法律上では問題はありませんが、その分メンテナンスでしっかり様子を見ておくことが必要です。つまり、古くても動くから使うではなく、古いからこそ対策が必要です。

【事故はこういう流れで起きる】
部品が少し傷む
→ 点検で異常を拾えない
→ 修理や確認が不十分
→ 安全装置が本番で効かない
→ 人が乗ったタイミングで事故になる

つまり、事故の本当の原因は「最後に起きた故障」だけではなく、その前に止めるチャンスが何回もあったのに止められなかったことです。

【よくある誤解】
・「普通に動いていれば安全」
これは半分正しくて、半分危険です。
エレベーターは、異常時に止まれるかが本当の安全です。普段動くことと、安全装置が正しく生きていることは別問題です。

・「古いけど壊れていないから大丈夫」
これも危険です。老朽化は、ある日突然はっきり壊れるとは限らず、性能が少しずつ落ちる形で進みます。特に電気部品やブレーキ周辺は要注意です。

【事故を防ぐために本当に大事なこと】
エレベーター保守会社として重要視しているのは次の3つです。

・異常があれば止めること。
「まだ動くから」は禁物です。安全が確認できないなら使用停止が基本です。

・手順どおりに点検すること。
見た目だけでなく、安全回路、インターロック、ブレーキ、制御盤の異常をきちんと確認することが重要です。

・古い設備は更新や改修を考えること。
保守だけでは限界があるため、必要な安全装置の追加や機器更新が事故防止につながります。

【まとめ】
エレベーターの多くの事故は、突然起きたように見えて、実は前から兆候があるのが特徴です。
だからこそ、点検では「壊れてから直す」ではなく、壊れる前に見つけて止めることが重要です。

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