エレベーター停電時の安全装置について
エレベーターにとって停電は最大のイレギュラーですが、実は「動かし続ける」より「止まる」こと自体が最大の安全設計になっています。
■停電時自動着床装置(MELD)
最も重要な装置のうちのひとつです。停電を検知した瞬間、専用の予備バッテリーに切り替わり、エレベーターを最寄りの階まで低速で運転してドアを開けます。
役割: 閉じ込めを未然に防ぎます。
注意: 消耗部品のひとつで使っていなくても自然放電により電圧低下の劣化をしていきます。バッテリーの寿命(通常3〜5年)が切れていると作動しないため、我々保守会社の技術員が厳重に点検しています。
■電磁ブレーキ(保持ブレーキ)
エレベーターは電気の力でブレーキを「開放」して動いています。つまり、停電で電気が消えると、強力なバネの力で物理的にガチッとブレーキがかかる仕組みです。
役割: 停電時にカゴが自重で落下したり、勝手に動いたりするのを物理的に阻止します。
■非常用照明(停電灯)
停電で真っ暗になるとパニックに陥りやすいため、カゴ内の予備電源で非常灯(現在はLEDを主流と市一般的になってきています)が点灯します。
役割: 最低限の視界を確保し、利用者の不安を和らげます。通常、30分〜1時間程度は点灯し続ける設計になっています。一般的に、床面において以下の照度を確保することが義務付けられています。
光源の種類必要な床面照度
・白熱灯1ルクス以上
・従来型の電球など蛍光灯・LED 2ルクス以上
■外部連絡装置(インターホン)
停電時でも外部(エレベーター乗場、建物内事務所、エレベーター機械室、保守会社など)に通じるよう、バッテリーでバックアップされています。
こちらは前述の停電時自動着床装置より維持管理が厳しく、年一回の法定検査の検査項目にもなっています。バッテリーが切れている場合は検査に合格しませんので、保守会社から報告と提案があった場合は速やかに交換をするようにしてください。
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