【エレベーターメンテナンス】「法定検査だけして欲しい」というお問い合わせ
「法定検査だけして欲しい」というお問い合わせに対して
この問い合わせは、エレベーター保守会社では意外とあります。
我々としては、基本的に「法定検査だけ」というのはお受けしておりません。
理由をお話させて頂きます。
メンテナンス技術者がこのお話を聞いて最初に考えるのは、「安全な状態で法定検査に合格できるだろうか」ということです。
法定検査は、年に1回、法律に基づいて設備の安全性を確認する検査です。しかし、法定検査は「メンテナンス」ではありません。自動車でいえば車検と同じです。
車検の日だけ車を見ても、その間にオイル交換やブレーキ点検をしていなければ、安全な状態を維持できません。
エレベーターも同様です。
法定検査の当日に問題がなかったとしても、その翌日にドア装置が故障することもありますし、ワイヤーロープやブレーキの摩耗が急速に進行することもあります。
技術者は毎回の点検を通じて、異音、振動、部品の摩耗、注油状態、電気系統の異常など、「故障の前兆」を見つけています。
つまり、事故を防ぐ仕事がエレベーターメンテナンス技術者の本来の役割です。そのため、「法定検査だけお願いします」という依頼には、「法律上の検査はできますが、安全を継続的に保証するものではありません」という説明をすることが多いのです。
法定検査は「健康診断」、保守点検は「日常の健康管理」ということです。健康診断を年1回受けていても、普段の生活習慣が悪ければ病気になる可能性があります。
エレベーターも同じです。
法定検査はその日の状態を確認するものであり、日々のメンテナンスを代替するものではありません。
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