エレベーター故障の前兆:「ドアの開閉速度が以前より遅くなった」
ドアの開閉速度が遅くなった。
これはエレベーター故障の前兆として最も多い症状の一つです。
エレベーター利用者の方からすると、「最近、ドアの動きがゆっくりになったな」程度の違和感ですが、メンテナンス技術者の視点からすると「何かが悪くなり始めているサイン」と考えます。
考えられる原因のいくつかを紹介致します。
■ドアローラーの摩耗
ドアは毎日何百回、何千回と開閉しています。そのため、ローラー、ガイドシューといった消耗部品が少しずつ摩耗していきます。すると、ドアを動かす抵抗が増え制御装置が安全のため速度を抑えることがあります。
前兆:ガラガラ音、少し重たい感じ、ドアが振れる
■ドアレールの汚れ
レールには、ホコリ、人間や動物の毛、砂や小石、木くずといった異物などが溜まります。病院では綿ぼこり、マンションでは砂、工場では鉄粉、商業施設ではゴミといった具合で建物によって全く違います。
これだけでも開閉抵抗は増えます。
■ベルト(ドアベルト)の劣化
ベルト駆動タイプでは、ゴムが硬化したり、摩耗したり、破断したりするとスムーズに力が伝わらなくなります。すると開閉速度が徐々に遅くなります。
■ドアモーターの劣化
ドアモーター自体も寿命があります。軸受、ブラシ、ギヤなどが劣化すると十分なトルクが出なくなります。エレベーターメーカーの方とお話をしていると、「ドアモーターは劣化による故障をしやすい部分なので、交換部品としてストックをしておいてください」と言われます。それほど故障リスクをはらんでいる部品のひとつといえます。
■ドアコントローラーの調整不良
最近のエレベーターはドア速度をコンピューターで制御しています。
経年劣化で設定がズレたり電子部品が劣化すると、安全側に働いて「ゆっくり閉めよう」という動きになります。
■光電センサー・光幕センサーの異常
人を挟まないためのセンサーです。汚れや誤検知があると「人がいる」と判断して開閉を繰り返します。その結果、エレベーター利用者の方にすると「最近遅い」と感じるのです。
■温度・湿度の影響
雨の日だけ遅い。
冬だけ重たい。
こんな症状もあります。原因は、湿気、結露、グリス硬化などです。古いエレベーターではよくある症状のひとつです。
■ドア吊り金具の摩耗
ドアを吊っている金具やガイドが摩耗するとドアが少し傾きます。すると摩擦が増え、物理的にも速度が落ちます。
■ドアシュー(ガイドシュー)の摩耗
ドアの下部に設置されている消耗品であるガイドシューが摩耗すると、ドアがガタガタと左右に振れます。その結果、ドアがスムーズに動かなくなります。
■潤滑不足
昔ながらですが非常に多い原因です。エレベーターメンテナンス技術員は毎回確認をして状況に応じて注油作業をしていますが、季節や気候などの原因で注油不足となり動きが重くなることがあります。
古いエレベーターでは重要な項目です。
■制御電圧の異常 電源電圧が不安定など
制御電圧の異常 電源電圧が不安定だったりコンデンサが劣化すると、ドアモーターが本来の性能を発揮できません。昨今の台風、ゲリラ雷雨、落雷などで電圧などが不安定になったり、瞬間停電があったりすると不具合に繋がることがあります。
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